いのしし祭り

2007年9月30日  ジョイいぶき ホール

京大や奈良大、国立民族博物館のアカデミックな人たちが、真面目にイノシシを語るという、おもしろいイベントでした。

■進行 谷口隆一氏(源流の会代表)

■第一部 深くて長いイノシシとの関係
 @イノシシと人間、ヤマトタケルと白イノシシ(高橋春成氏 奈良大学)
 A台湾のイノシシと人間 (野林厚志氏 国立民族博物館)
 B沖縄・西表島のイノシシと人間 (蛯原一平氏 京都大学)

■第二部 イノシシとの攻防
 @大久保に残るシシ垣 (高橋順之氏 米原市教育委員会)
 A現代のイノシシ被害と防除 (山中成元氏 滋賀県農業技術振興センター湖北分場)
 B拡大するイノシシ被害と放置竹林の関係 (安藤誠也氏 奈良大学)

■総合討論

イノシシに発信器をつけてその生態を探る人
台湾や西表でのイノシシと人間の関係
縄文から住み着くいぶきの里での人間とイノシシの関係
イノシシの被害を避けるための知恵、防災といういり減災の考え方
人間が里山から離れたことによる、イノシシの生活範囲の拡大

猟友会からは、県や学識経験者との連携で拡大するイノシシ被害を減らしたいと
農家を代表して、イノシシ被害の実際の苦労と、ヤマビル問題

など、50〜60人の参加者がかなり盛り上がっておられました。福井からは高校生も。


イノシシ現れる

ポスターもありまして、女性もぱらぱら

福井の農業高校の生徒さんも

イノシシを囲む人たち

司会進行の谷口氏(源流の会)

50〜60人の参加がありました

奈良大学 高橋教授

人とイノシシの長くて深いつながりを語られる

講演される高橋教授

イノシシにGPSをつけて調査する

台湾のイノシシと人間 野林氏

原住民とイノシシの暮らし

沖縄西表島のイノシシと人間 蛯原氏

山の神に祈りの風習がいろいろあるようです

峠のシシ垣の調査を語る高橋氏

地理

昭和28年頃の峠の畑

シシ垣の様子

現代のイノシシ防除について語る山中氏

マイナスをプラスに変えるすばらしい発想

堅田の放置竹林とイノシシの関係 安藤氏

1970年頃の堅田の棚田は白いところ

それが2003年にはほとんどなくなってしまい竹林増加

イノシシに田んぼが荒らされ・・・全滅の被害

会場からはたくさんの意見が出ました。 常喜さん
私的には、
15年前には、「イノシシが出た、サルが出た」と言って怒り、畑にネットを張って対抗していた地域の人々(当時70代前半)が、今では要介護状態(80代後半)となり、動物に抵抗する力さえ失ってしまったこと。地域が体力をなくしていることを痛感します。何か地域を活性化するヒントがないかなぁと思って聞かせていただいていました。
数年前に比べて、今年はサルやイノシシの被害が少ないのはなぜかという質問がありましたが、数年前は栗や真弓など山の花が咲いた直後に台風が来てしまい、花が吹き飛んでしまいました。その年の山の収穫はとても少ないものでした。今年は6,7月は日照時間は短かったものの台風の被害がそれほどでなく、8月の猛暑で、小粒ながらたくさんの果実ができたからサルやイノシシも里へ出没が少ないのではないかと、私は思います。
歴史学者、動物学者、農学者に加え、生産者や猟銃会などいろんな分野からの出席者で、「地域で対策をしよう」という気持ちが共有できたのはよかったのではと思います。各分野の専門家をくっつけることで、今後の成果が期待できそうですよね。

ありがとうござました。