理学療法士実習生 研修

2007年11月6日〜16日   T.S.君


家では皆さん、よい表情ですよね
歩けなかった人が歩けるようになって・・・リハの力

米原市最高齢 103才・・・
とても頭の良いお元気な方です

11月6日
◆前日の反省

 積極的に質問ができなかった。はきはきと話すことができなかった。
◆今日の目標・予定

 脳血管障害の人の評価、整形外科疾患の人の評価
◆見学・学習した内容

 リハ室においてある器機の説明をしてもらった。脊柱管狭窄症、脳梗塞、脳内出血、認知症の方の見学をさせてもらった。
被殻出血:出血と反対側の片麻痺と感覚障害は必発。出血量により麻痺の程度は違う。優位側では失語、非優位側では失行、失認、病態失認などが加わる。
視床出血:出血側と反対の感覚麻痺、不全麻痺の他、パリノー徴候、共同偏視、眼間代、縮瞳、対光反射消失ないし低下が加われば、特徴的。視床痛が出現することがある。
◆実習初日の感想

 初めてということで、右も左もわからず、とても緊張しました。まずは患者様とのコミュニケーションが大切であると思いました。どのような方を担当させていただけるのかが決まりました。一人は整形外科の方で、もう一人は中枢性脳血管障害の方です。がんばって評価を進めていきたいと思います。

11月7日
◆前日の反省

 大きな声で挨拶できなかった。積極的に質問できなかった。報告・連絡ができなかった。認知症が疑われる方に対して認知症の検査をする前に感覚検査をしてしまった。難聴のある方に聞き取りやすい声量で話せなかった。
◆今日の目標・予定

 前日の反省の改善
◆見学・学習した内容

 パーキンソン症候群、脳血管障害、筋ジストロフィー、変形性膝関節症、などの方の見学をさせてもらった。
しびれ:しびれは感覚を伝達する末梢神経から大脳皮質までの経路のいずれの部位でも起こりえる。その発生機序については不明な点もあるが、以下の3つの考え方がある。第1は損傷神経の異常発射で、傷害を受けた神経自体が通常では神経発射を生じないような状況で異常な神経発射を起こすというもの。第2は感覚統合の異常で、傷害を受けた神経よりも障害を受けなかった神経系が過剰反応を示すことにより、しびれなどの異常感覚が生じるというもの。第3は関連痛で、内臓からの過剰の刺激により当該内臓に関連した体部位に痛みが投射されることによって異常感覚が生じるというものである。
◆感想

 実習2日目となり、少しは慣れたような気がします。今日は担当の利用者様を評価させていただきました。やはり実際に障害のある方を評価するのは難しいと感じました。学校では学生同士という健常者相手に練習してきたので、良い勉強になりました。また実際に病的反射の出現などを見ることができ良かったと思います。

11月8日
◆前日の反省

 正確な評価ができなかった。積極的な質問ができなかった。
◆今日の目標・予定

 前日の反省の改善
◆見学・学習した内容

 外出に参加させてもらった。大腿骨頸部骨折と変形性脊椎症の方、糖尿病で左変形性膝関節症、右変形性膝関節症の疑いの方を見学させてもらった。
変形性脊椎症:脊椎の加齢性変化椎体の骨棘形成すなわち骨増殖性の変化をいい、脊椎の老化を意味する。多彩な症状を呈し、X線学的所見と臨床症状とが必ずしも一致しないことがあるので、疼痛の真因を検討する必要がある。症状は骨棘が原因となる腰背痛や神経根圧迫症状、脊髄症もあるが、椎間板症、椎間関節症、脊柱管狭窄症などが主な原因の場合が多い。
◆感想

 紅葉狩りとキーマカレーを食べる外出に参加させていただきましたので、ここに感想を書きたいと思います。まず参加された利用者様は、独歩可能な方から車いすでなければ移動できない方まで幅広く、認知症のある方もおられました。行きの車の中では、利用者様といろいろな話をしようとがんばりましたが、特定の利用者様としか話をすることができず、数名の方としか話をすることができませんでした。帰りの車の中では、利用者様は疲れた表情の方が多く、私自身の疲れもあり、余り話をすることができませんでした。また車に乗ってもらう際や、車から降りてもらう際に介助などを積極的に行えず、どの方がどの程度の機能を有しているかを判断できずに行動していたのが事実です。
 外出によって四季の移り変わりを五感で感じることができ、利用者様方は皆生き生きした顔をしておられていました。やはり普段とは違う外からの刺激が加わることでよい効果が出ていたのでないかと思います。また初めのうちは余り行きたくないと言っていた方も、途中から来て良かったと言っておられたので驚きました。スタッフの方々も室内のときよりも生き生きとされていたように思います。
 天気も良く、とてもよい外出でありましたが、今回のような外出ができるのもスタッフの方々の力のたまものであり、様々な職種の連携の大切さを実感することができました。よい体験ができ、とても感謝しております。ありがとうございました。

11月9日
◆前日の反省

 積極的な質問ができなかった
◆今日の目標・予定

 前日の反省の改善
◆見学・学習した内容

 訪問リハにて高次脳機能障害の方と片麻痺の方を見学させていただいた。
伸張反射:全ての反射で最も単純な反射で、最もよく検討された運動活動で、脊髄の単一シナプスで生じる。腱を軽打する(入力)と筋の素早い進展が生じる。これは筋紡錘の感覚終末を刺激する。筋紡錘は求心性投射をα運動ニューロンに送り、α運動ニューロンの活性化は同筋の素早い反射性筋収縮である。進展反射における共通の内容は伸張された筋肉は極短時間の遅れを有して収縮することである。基本的な受容器は、膝蓋腱の軽打によって影響を受けた筋の伸張に反応する筋の受容器である。伸張された筋紡錘からの感覚入力は単シナプス性にα運動ニューロンを活性化する筋に向かう運動性線維によって反射弓は完成する。α運動ニューロンからの遠心性線維は、錘外線維の収縮を惹起する。反射性収縮は筋を安静状態に戻し、感覚性の筋紡錘の刺激を減じる。腱反射は、いくつかの脊髄文節で生じ、異なる神経根が関与している。

 訪問リハに連れて行ってもらいました。訪問リハでは2人の家へ行かせてもらいました。一人は重度の高次脳機能障害のある方で、様々な症状が現れていました。高次脳機能障害は学校の授業で学んだりしましたが、実際の方を見て驚きました。もう一人の方は片麻痺野方で、麻痺がありながらも料理や洗濯物干し、様々なことを一人で工夫してなさっていました。また息子さんのために手芸のようなことも始められたとのことで、すごいと思いました。

11月12日
◆前日の反省

 レポートの書き方。利用者様との接し方。
◆今日の目標・予定

 表情明るく元気に
◆見学・学習した内容

 理学療法士の対象となる方には、様々な方がおられ、理学療法士が取る対応も臨機応変でならないことがわかった。利用者様の求める希望と、セラピストが目指しているゴールに差がある場合、利用者様に対して無理であることを伝えなければならないときがあり、このときセラピストが利用者様を納得させるだけの知識と信頼性が重要であることがわかった。
 炎症の5徴候:発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害
◆往診に行って

 畑野先生の往診に行かせていただいた。まず驚いたのが、とても重度な寝たきりの患者さんでも家族とともに在宅で生活されていたことです。また往診先の方々は畑野先生のことをとても信頼しておられ、どんな悩み事なども相談できる、そんな雰囲気でした。やはり外来とは違い、患者様の生の生活を感じることができるので、少しでも変化があったときなど、すぐにわかるのではないかと思いました。患者様の生の生活を見せていただいて、様々なところにいろいろな工夫をされていて、上手に暮らしておられるのだと感じました。
 車の中で先生の話をいろいろと聞かせていただき、とても勉強になりました。人間の尊厳をとても大切にしておられました。私自身も人間として生きていき、最期も人間として幕を閉じたいと思っていますし、誰もがそう思っていると思います。最後に往診に行かせていただきありがとうございました。次の実習に役立てられるようがんばっていきたいと思います。

11月13日
◆前日の反省

 レポートの書き方
◆今日の目標・予定

 終わっていない評価を終わらせる
◆見学・学習した内容

半空間無視:USNとは大脳病巣の反対側の空間に与えられた刺激に対する反応が低下または欠如する現象である。右大脳半球損傷によって生じる左USNが出現頻度が高く、症状も重症で長期化しやすい。理由としては右大脳半球が両側視空間の視覚的認知に関与しているのに対し、左大脳半球では右空間の視覚的認知のみに関与しているためであると考えられている。

11月14日
◆前日の反省

 レポートの書き方。実習生としての姿勢
◆今日の目標・予定

 前日の反省の改善
◆見学・学習した内容

 歩行器などを選択する場合、少しの形状の違いで使いやすくなったり、使いにくくなったりするので、使われる方の体の状態や、環境をしっかり把握しなければならないことがわかった。
プッシャー現象:Daviesが初めて指摘した症候であり、体軸のずれという観点から論じられたものである。特性として左片麻痺に多く、半側無視を伴う。座位では体重は患側骨盤に負荷され腱側の体幹は短縮し、立位で患側に重心が偏り姿勢が斜めになることがあげられる。

11月16日
◆前日の反省

 発表の時間、レジュメの内容
◆今日の目標・予定

 最終日ということで、とにかくがんばりたいです
◆見学・学習した内容

 きのうは発表させていただきました。とても緊張して発表時間を超えてしまいました。発表後の質問の時間では先生方に良きアドバイスを多々いただきましたので、とても勉強になりました。理学療法士、作業療法士それぞれの目線からご指摘いただいたのでよかったです。今回の発表で、自分のレポートがまだまだであると、改めて実感し、次の実習に向けての課題が多々出てきました。

最終の感想
 今回の評価実習では、利用者様とのコミュニケーションの取り方、症例に応じた評価項目、問題点を正確に捉える能力の獲得を目標に臨みました。理学療法士、作業療法士の先生方は、すばらしい先生ばかりで、私自身にとって有意義な実習をさせていただくことができました。実習を振り返ると、理学療法士として学ぶこと、社会人として学ぶことが非常に多く、勉強はもちろんのこと、臨床でしか学べないことをいろいろと学ぶことができた実習でした。

 1週目は毎日緊張でガチガチになっていて、利用者様に励まされるほどでした。2週目はある程度施設の雰囲気にも慣れ、患者様とのコミュニケーションもようやく慣れてきました。
 
 見学の際は、常に「なぜだろう」という疑問を持ちながら行い、自分なりに解釈していくことができませんでした。次の実習では、常に疑問を持ちながら積極的に見学を行っていきたいです。
 
 症例レポートでは、私の書いたつたないレポートに対して、先生に非常にたくさんのフィードバックをいただきましてありがとうございました。出来の悪い学生ですので、先生にはご迷惑をおかけしました。またフィードバックでは、私の目線とは違う理学療法士の視点でのご指導をいただき、自分の考えの甘さ、未熟さを感じ、もっと努力が必要であると感じました。

 今回の実習では、評価を行うことの重要性を学ぶことができました。評価だからこそ正確に行うことが大切であると思いました。また様々な先生方の考えを聞くことができ、とてもよい勉強になりました。

 課題としては、先生方から注意されたことを受けても直す努力ができなかったので、考え方、心を入れ直す必要があると思いました。また人とコミュニケーションをとることが苦手なので、もっとうまくコミュニケーションがとれるように日々努力していきたいです。

 次の実習では、今回の実習での反省を活かし、よりよい実習になるように日々精進していく所存であります。

 最後になりましたが、お忙しい中、担当していただいた症例の利用者様、実習にご協力いただいた地域包括ケアセンターいぶき様、理学療法士、作業療法士の先生方、そのほか様々な職種の方々に感謝いたします。