松浦寿美さんは、平成19年6月12日に、脳梗塞に倒れてしまわれました。リハビリを続ける中、投稿され、中日新聞に掲載された短歌・俳句等です。10月から平成20年1月まで、いぶきの老健に入所されていました。息子さんが、退所前に是非見てくださいとのことで、見せていただきました。
二度も三度も反動をつけないと起き上がれないもどかしさ、退院後の寄せ鍋を囲んではずむ家族の会話、卒寿(90歳)を迎えてもなお白寿(99歳)を目指したいという生への意欲など、すばらしいなぁと思います。これからもがんばってください。
平成20年1月 リハビリ室にて(写真や実名などの掲載に当たっては了解をいただいています)
5月連休 横浜、鎌倉、伊豆箱根 および、5月末 上海、蘇州、杭州への旅行、倒れる前日までのゲートボールや老人会役員活動から一転、病床からのリハビリ、悪戦苦闘しながらの投稿、掲載された短歌&俳句です。
【以上 息子さんのコメント】
6月20日 俳句
思いがけず 茶柱立ちし 新茶かな
6月27日 短歌
4日つつく 5月初めの 休み日を 鎌倉に来て うから楽しむ
7月11日 俳句
適草や 母のにおいの ものばから
7月11日 冠句
若い夏 西湖遊覧 満喫す
7月25日 川柳
振り向かず 日傘を高く 上げ別れ
8月15日 短歌
梅雨空を 眺めて面会に 来てくるる 人を待ちをり その足音を
8月22日 俳句
仰ぎ見る 伊吹の白雲 夏惜しむ
9月19日 俳句
夏雲や 手術後食べる 三分粥
9月26日 短歌
見舞い客 帰りし後の 静けさに 夕の雨音 我に何言う
10月10日 短歌
二度三度 反動つけて 起き上がる リハビリの知恵 日毎ふえゆく
10月10日 俳句
里帰り 灼け土にほふ 盆の墓
11月17日 冠句
積み重ね 悪事の沙汰も 御用なり
11月21日 俳句
病む窓で 独り観てゐる 望の月
12月12日 俳句
退院し 家族揃って 寄鍋に
12月26日 短歌
秋晴れの 日差しに光 三島池 見つつ群れゐる 鴨に親しむ
1月1日(正月佳作) 短歌
卒寿迎え 白寿願ひて 歌作る ことに余生の 日々を過ごさむ
1月9日 俳句
”全快す” 一筆添えし 年賀状