平成21年度 第4回

滋賀県連携リハビリテーション学会研究大会

共に暮らす地域社会 III
〜社会参加を維持可能にする連携とは〜

平成21年11月29日(日) 滋賀県立男女共同参画センター

主催:滋賀県連携リハビリテーション学会

I 開会式

II 基調講演
「高齢・障害者の尊厳を支える連携について」  講師  畑野栄治氏 (はたのリハビリ整形外科 院長、広島県)
III 一般演題
IV シンポジウム
「先駆的な取り組みの実際  〜包括的地域支援の実際〜」
地域住民に寄り添う医療とリハビリテーション  畑野秀樹(地域包括ケアセンターいぶき)
地域で支える包括的拠点の目指すもの  長嶋小百合氏(在宅ケアセンターみのり)
地域で支える〜障害児から高齢者まで〜  永田かおり氏(NPO法人ひだまり)
コーディネーター  嶋村清志氏
V 福祉機器出展展示会

 初めて、この学会に参加させていただきました(シンポジストとして)。福祉系の学会では、いかに質の高い生活ができるように支援するかということをテーマに話されますが、リハビリテーションという医療と福祉にまたがる領域においても、「地域に住み続けること」、「社会参加」がテーマになっており、リハビリは非常に幅が広いことを実感しました。

 後援団体を見ても、滋賀県、教育委員会、医師会、病院協会、看護協会、理学療法士会、作業療法士会、社会福祉士会、身体障害者福祉協会、薬剤師会、歯科医師会、社会福祉協議会、健康づくり財団、栄養士会、介護福祉士会、ケアマネ協、ヘルパー協、介護サービス事業者協、老人福祉施設協、老健協会、障害者支援協議会、社会就労センター、脳卒中協会、脳卒中友の会、脊髄損傷者協会、脳外傷友の会、難病連絡協議会・・・などなど、実に様々な方々の集まりでした。

 しかし参加者の中に医師が少ないことを感じました。やはり医師の意識は薄いように思います。急性期であったり、病気の診断・治療が、医師のスペシャリティの最も出せる領域ですし、おもしろいところに比べ、治らない・治せない、「老化」、「障がい」という部分は、医師の興味からは離れているように思います。

 それでも、医師がこの部分に関わる必要性を感じます。病気が治ることと同じくらい、障がいや病気があっても生き生きと暮らすことを支援することは大切で、最終的に「命」の責任を医師が持つことで、他の職種がずいぶんとやりやすくなるでしょう。

 基調講演は、畑野栄治先生・・・自分の親戚かと思うくらいでした(^^)。住民の生活を支えようと思うと、考え方は同じになるのでしょうか。先進的に取り組み、実践していらっしゃる様子に、力をいただきました。

 シンポジウムでは、訪問看護ステーションと居宅介護支援事業、通所介護を併設することで、深みのある看護・ケアを実践されている長嶋さん。NPO法人を立ち上げ、デイサービスに加え、託児所(障がい児を含む)を併設し、さらにお泊まりなど、複合的な福祉事業を展開されている米原市の永田さん。非常にエネルギッシュな女性に圧倒されながらも、「いのちの教育」と「まちづくり」をテーマに自分の発表をこなしてきました(20分)。

 貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

 質問の中で、一人の理学療法士さんが「行政との連携の仕方について」お尋ねいただきました。後から考えると、理学療法士や作業療法士が行政に評価される方法についての質問だったのではないかと思いました。自分もはじめから評価されていたのではなく、10年ちかい積み重ねと、外への発表、そして地域保健師を仲間に取り込むことだろうと思います。

 まず近くの保健師を身方にすること。そして保健師から課長に伝えてもらうこと。市の医療福祉プランの中にリハビリを入れてもらうこと。あるいは保健所との連携の中で広域から市に話を下ろしてもらうことなど。いずれにしても今回のような学会を通して他職種への理解の努力は必要だろうと思いました。