地域包括ケアセンターいぶき センター長 畑野秀樹
2010.1.1
1.地域包括ケアセンターいぶきの理念
1)地域包括ケアの実践・・・保健・医療・福祉という領域を包括し、「地域住民が安心した暮らし」ができることを目指します。地域に密着した医療や福祉を提供します。
2)全国への情報発信・・・学会での発表・地域医療振興協会や自治医大を介した研修活動・インターネットなどを通して、継続した情報発信を行います。
3)経営基盤の安定・・・誇りと自信を持って取り組める職場環境を作ります。
4)次世代の育成・・・次の世代に安心してバトンタッチできる医師、看護師、介護士、理学療法士等を育てていきます。命を大切にする子どもたちを育成しま
す。
5)文化の交流点・・・地域包括ケアの枠を越えて、子どもや高齢者など地域住民の文化の交流点としての役割を担います。
2.新年を迎えるに当たっての抱負
到達目標:30年後に、なおも「思いやりのある地域」であること
@米原市民の意識を変えることを目標とする・・・「元気なまち」に
大きな街もない、なかなか発展しない、病院もない・・・ないないづくしの米原市ではありますが、自然がある、山もある、湖もある、平野もある、新幹線の駅もある、思いやりのある、温かな人々がいる。
できないことを探すよりも、できることを探して元気になれるようなまちづくり・人づくりの支援をしていきたいと思います。
A命を大切にする生き方を支援する
昨年は新型インフルエンザで世界中が一時パニックになりました。市内の幼稚園や小学校、中学校、高校も学級閉鎖が相次ぎました。幸いに高齢者はほとんど感染しませんでした。ただし市内でもインフルエンザで亡くなった方が出てしまったようです。最近のデータでは13万人に1人死亡するとのこと。
人は亡くなるはずはないという思いこみがありますが、人は100%死亡する。その事実は受けとめて、自分たちがいかに生きていくといいのか?。人は人のため・社会のために生きているときに最も元気が出るのではないでしょうか?
少子高齢化の社会においても、高齢者は亡くなる直前まで社会に奉仕していただく。それは自分の生き様を、是非家族や若い世代に見せていただくことだと思います。家で老い、家で亡くなっていくことを実践していただきたい。
若い世代は、高齢者を「いのちの教育者」として尊敬できる社会を作っていきましょう。私たちを育ててきていただいた人たちなのですから。
B次世代を意識する ・・・「いのちをつなぐ」
少子高齢化の社会において、高齢者をお荷物にしない社会作り、システム作りが必要です。人生50年の時代から80〜90年の時代になり、それだけ学んできた経験を若い世代に伝えましょう。IT革命などにより通用しなくなった知識もありますが、「思いやり」や「勤勉」は、時代を超えて通用します。
若い世代は夫婦共働きしているケースも多く、働く世代に負担をかけすぎないシステムづくりとして、一つは社会で高齢者を支えるシステム、もう一つは社会で子育てを支援するシステム。家族の単位が小さくなった今、もう少し大きなコミュニティを見直していく必要があろうかと思います(ソーシャルキャピタル)。世代を超えたコミュニティの形成により、命をムダにしない、命をつなぐ文化ができると考えていますし、実践していきます。
C具体的に、
「家・家族」を中心に考える医療やケアを・・・まちづくりへ
いのちの長さではなく、いのちの豊かさを大切にできる考え方へ・・・おいしいものを食べて、体を動かして、行きたいところにも行ける生き方
マイナスを指摘する医療だけではなく、プラスを伸ばすことのできる医療やケアを
子どもと高齢者が集まれる施設づくり・・・老健と託児を合わせることなど
米原市全体を考えた取り組み
医師や看護師・介護士・PT・OT・栄養士など専門職の養成
地域リーダーの養成・・・介護士やリハスタッフ、医師など
10年後にも黒字で行ける運営
3.ケアセンターいぶきの歴史
2006.2 ケアセンターいぶき工事中 |
2006.3 辞令交付 ■ |
2006.4 ケアセンターいぶき 開設式 |
2006.9 敬老祭 |
2006.10 山ワークショップ 伊吹 |
2006.12 クリスマス会 |
2007.6 音楽演奏会 |
2007.7 伊吹山へ |
2007.9 敬老祭 |
2007.10 鎌田先生の訪問 |
2007.10 いも掘り |
2007.11 プライマリケア学会 シンポジスト |
2008.4 新しいスタッフ(医師) |
2008.4 家に帰す取り組み |
2008.7 太鼓の演奏を聴く |
2008.7 杉澤炎陣太鼓の演奏 |
2008.9 敬老祭 |
2008 再会 |
2008.11 福祉のまちづくりシンポジウム |
2009.2 地域サロン等全国フォーラム |
2009.1 相撲大会 |
2009.7 夏祭り |
2009.9 敬老祭 |