滋賀医大早期体験学習 2010

   
 滋賀医大の1年生が、早期体験学習としてそれぞれ3日間の実習にやってきました。まだ医学部に入ったばかりで、患者さんに接することや聴診器を触ることさえも初めてのことだったようです。結構衝撃的な体験をさせてしまったかもしれません。しかし医学部に入って自分の学ぶべきことは何なのかしっかりと学んでいかれたように思いました。実習中の態度は、時間をしっかり守り、挨拶もきちんとされていて、とても気持ちのよいものでした。以下に書いてもらったレポートを拝読しても、しっかりと書いておられて、本当に18〜19歳の学生さんなのか(社会人を経験された人もありますが)と驚きました。

我が身に振り返れば、こんなにしっかりできていたかと冷や汗が出ます。実習を通して感じた彼らの感性は、みずみずしく歳を取った自分たちに再び振り返るよい機会となりました。(若返ったかな?) ありがとうございました。  将来がとても楽しみな学生さんたちでした。
畑野


Tさん

2010.9.7(火)

◆経験したこと
・オリエンテーションを通して、「地域包括ケアセンターいぶき」や伊吹について知れた
・外来の見学(聴診器を当てさせていただいたり、腹部の触診をした)
・待合室実習(待合室におられる患者さんにインタビューをした)

◆印象に残ったこと
・伊吹の診療所が、診る科を限っておらず、患者さんと患者さんのご家族の不調を全て知っているということ
・在宅ケアを患者さんの医療の中心におき、老健も家で介護している人が疲れた時などにショートステイで利用するものと位置づけたり、在宅復帰率も実際に高いこと
・待合室実習で」、患者さんのご家族に「信念を貫いてマイペースにがんばって」と励ましていただいたこと

◆戸惑ったこと
・外来の見学時に、何もできず、何もわからず見ることしかできない自分自身にとても歯がゆさを感じました。何の知識や技術も身につけていないことは確かに当たり前なのだけれど、それに甘えていたのか、邪魔になるのを恐れたのか、役に立とうという試み、行動をとれなかったことが、今日の一番の反省点となった。

◆疑問に思ったこと
・思っていたよりもたくさんの検査用の機械が診療所にあったが、ケアセンターから大きな病院へ紹介状を書かなければならないような患者さんはどれくらいの割合なのか
・在宅医療の24時間体制は大変でないか。夜中に電話がかかってきて往診に行くことはどれくらいの頻度であるのか

◆今日の気持ち
・事務長さんも先生も、伊吹の町を本当に愛されていて、ケアセンターは医療を支える場ではあるけれど、伊吹の人の生活そのものを支える大きな役割を持っていると感じた。
・自分が本当に「医師」になれる日は、まだまだ遠く、未熟さを感じた。もっと知識・技術的にも、人間的にも成長したい!

◆次回の目標
・ささいなことでも役立てること。気遣えることを探して実行する
・待合室実習では、質問事項以外のことをあまり聞けなかったので、明日、往診の間などで、そのようないろいろな話をする機会があれば、是非してみたいです。

2010.9.8(水)

◆経験したこと
・吉槻診療所の見学(外来の患者さん2人、往診1人、中村先生に老健や医療についてのお話も聞けました)
・往診見学(80歳、90歳くらいの方のお宅や、他の施設内のお部屋での往診10件、血圧の測定)

◆印象に残ったこと
・日本の家庭医は、高度医療を家庭に持ち込むという考えの人も多くいるが、本来なら個々に合わせた介護のあり方を尊重し、最期まで責任を持つという地域医療に近いスタンスをもつべきという中村先生のお話。
・往診の先生を患者さんが心待ちにしておられるんだなぁと感じた。自分の思っていることに一番耳を傾けてくれる相手なのでは。
・必ずしも制限を多くして「病気が治」ればいいわけでなく、患者さんのしたいことができて、「元気」になれる医療が大切。

◆戸惑ったこと
・出張診療所待合室の4カ所の雨漏り!(今日の午前中は台風で雨がひどく、出張所でも雨漏り、このようなハプニングも地域医療の醍醐味でしょうか。患者さんもいつもより少なかったそうです)
・初めての血圧測定(聴診器の使い方もあいまいだった。最高血圧を測るときの最初の音を聞くのが難しかったです)

◆今日の気持ち
・直接医療とは関係のない話であっても、患者さんにとって往診の先生は信頼できる相談相手であり、話を聞いてもらえる相手がいることが精神面での支えにもなっているんだなぁと思った。「元気」にする医療においては、患者対医師というより、人対人の対話が大事なんだろうと思った。
・今は何も知らないし、何もできない状態なので、早く知識・技術を身につけたいです。

◆次回の目標
・明日が最後の日なので、なるべくたくさんのことを吸収させていただき、職員の方からも入所されている方からも、いろいろな話を聞きたいです。

2010.9.9(木)

◆経験したこと
・老健施設の見学(ホールで認知症をもった方とお話しすることができました)
・高島市医師会の方々と地域医療についてのお話を聞かせていただきました。

◆印象に残ったこと
・認知症の方とお話しするときに、無理にコミュニケーションをとる、意思疎通を図るというよりも、自分が投げた言葉に対して、その方が言ってくださることを、全て言い終わるまで聞き、内容がわからなくても、表情や身振りを用いて、しっかり返答することが大切なのでないかと、介護士さんを見たり、自分が認知症の方とお話をする中で思いました。
・送迎の時、2〜3歳のお孫さんがおじいさんの車いすをひいていた姿(何となくでも「いのちが世代を伝わっている」という場面を見れたような気がしました。

◆戸惑ったこと
・はじめは認知症をもつ方と何を話せばいいのかわからず、すごく戸惑いました。話してくださる内容がわからないことも多くありました。
・自分にできることが少なく、何もできなかったです・・・

◆今日の気持ち
・老健の施設に入らせていただきましたが、自分にできることが少なすぎて、とても情けないなと思いました。今後もいろいろな実習があるだろうし、ずっと先に医師となった時のためにも、介護や看護の技術のさわりを関連した本をよんだり(むしろ何か資格をとれるようなら取りたいくらいですが)して、今のうちにやりたいと思いました。先生がおっしゃっていた「医師の免許はオールマイティ」ということや「何でも診る科」ということで、病気を診る、治すではなく、自分もいろいろなことを実行したり、さまざまな医療の職種の方と連携することで、患者さんの「元気」を引き出せるような医師になりたいと思いました。
 この3日間、(初日に遅刻しかけたことも含め)本当にたくさんご迷惑をおかけしました。またこのように医学を何も知らないような私に、診察の様子を見せていただいたり、診察させていただいたり、そして地域医療や医療制度にいついても深くいい話をたくさん聞かせていただき、本当にありがとうございました。今回学ばせていただいたことは、これから医師を目指す上で、私の大きな土台になると思います。いぶきの先生方のように、「熱い」医師になれるよう、さまざまな面で日々精進していきたいと思います。ありがとうございました。

Wさん

2010.9.7(火)

◆経験したこと
・オリエンテーション(スライドによる説明、施設見学、地域見学)
・外来見学(3件のみ、予防注射2件、採血などの検査1件)
・往診見学(5件、各家庭での介護の様子及び医師による診察の仕方、患者の方や家族の方への声のかけ方、接し方を見学することができました)

◆印象に残ったこと
・往診を受ける患者の方や、家族の方にとって医師の訪問は日常であり、かつ深く頼りきるものではないように見えたこと。「在宅」介護がどういうものかと、肌で感じたように思います。
・外来見学の際に、先生は電子カルテを扱いながらも意識は常に患者の方を向いていたこと。電子カルテの導入に伴い、「医師がパソコンの画面を見つめている」という話を聞きますが、正しい使い方を知ったように思います。
・往診の際、患者の方が精一杯先生の話しかけに対して応えようとしていたこと。

◆戸惑ったこと
・ショートステイの方の入所が5件、退所が5件と数が多かったこと。オリエンテーションの際に毎日10〜15人が出入りすること、平均5日であること、1ヶ月120名でルームシェアをすることを知り、非常に驚きました。「ほんの短期間受け入れる」というのは新鮮でした。
・重度の認知症の方と、そうでない方のユニットが分かれていること。個々に戸惑いを感じたのは、私が認知症の方とふれあった経験がほとんどなく、違いを上手く理解できていないためかもしれません。職員の方が完全に二手に分かれていたことにも戸惑いました。

◆疑問に思ったこと
・在宅介護では家族の方が毎日必要な介護を行っておられるが、その技術を身につけるにはどのくらいの練習が必要なのだろう? 「たん」を取るなどは非常に難しいというイメージがあるが、そんなことはないのだろうか。
・3ヶ月で在宅復帰する必要がある「老健」において、ケアセンターいぶきは8割ほどが在宅復帰しているとのことだった。全国の他の施設と比べて特に在宅復帰が多いということだが、何がそんなに他の施設と違うのだろうか?

◆今日の気持ち
・医学のことをほとんど学んでいない私が、何を学び取れるかは正直不安でしたが、今日1日でさまざまなことを感じました。「在宅」医療には人と向き合うことが不可欠で、それは患者の方の個人個人を認識し、知り合うことから始まるのだと思います。様々な事情の方がおられ、こうすればよいという方法は存在しないのだと実感しました。
・その地に根ざした医師となるには最低3年は必要だという言葉に深く納得しました。患者の方と知り合い、この医師ならば大丈夫だと感じてもらうには時間が必要でしょうし、信頼関係がなければ家庭医としてやっていくのは難しいでしょう。長い目で考える必要性を感じ、同時に医師としてのやりがいを感じました。

◆次回の目標
・細かなことにも注意をはらい「ケアセンターいぶき」における医療の特徴をとらえること。できればこれから医療を学ぶ上で参考にしていきたい。
・時間を無為に過ごさないこと。自分が学んだことを復習する、疑問を確認することなどやるべきことは多いと思った。
・受け身にならないこと。できるだけ積極的に動き、やれることはやりたい。できることが少ないからこそがんばりたいと思う。

2010.9.8(水)
◆経験したこと
・外来見学(内視鏡検査見学、レントゲン検査見学など)
・待合室実習(アンケートなど)
・出張診療所見学(2ヶ所)
・血圧測定の実施
・外来見学では患者さんの腹部の触診をさせていただきました

◆印象に残ったこと
・待合室実習で様々な話を患者の方から直接聞けたこと。自分の現在の境地、医療への思いなどを聞かせていただきました。一番驚いたのは出張診療所で話を聞いていただけたおばあちゃん4人のうち2人が認知症だと知ったときです。話をしている間は全く気がつきませんでした。
・レントゲンの手法を間近で見学できたり、血圧測定の方法や触診について学べたこと。自分が医学について全く知らないと感じ、同時に今医療の基本を学んでいるのだと思い、非常にモチベーションが上がりました。

◆戸惑ったこと
・血圧測定を実際に行う時には戸惑うことが多かったです。脈の位置を特定するのに手間取りました。自分の脈を測ってみると、高い圧力での痛みなどがよくわかりました。
・ケアセンターで待合室実習を行っていたときに、一人にアンケートを採っていたはずが気がついたら5人に取っていたこと。最近会っていない人に会うことができるのが地域の施設の魅力の一つなのだなと感じました。診察の待ち時間は旧交を暖める時間にもなっているようです。話し好きな方にとっては、待ち時間が苦になることはほとんどないように見えました。

◆今日の気持ち
・昨日と今日で往診、外来、出張診療所の3ヶ所を見学させていただきました。その中ではだいたいの場合、「いつもと同じ」検査を患者に対して行い、変化がないことを確認していたように思います。待合室実習で、今日はいつもの検査を受けに来た、いつもの薬をもらいに来たという方が多かったのもそのためだと思います。ケアセンターが日常に自然に存在するのだと感じました。
・触診などを患者さんにさせていただいて、その感覚の多様さに驚きました。いろいろなケースに対応できることは最低限必要な能力だと思います。しっかりした技術のある医師になりたいと思いました。

◆次回の目標
・明日の午前中は老健とのことなので、多くの方と触れ合いたいです。様々なことを教わりたいと思います。
・明日で最後なので、疑問点を残さないこと。わからないことはできるだけ早く尋ねること。

2010.9.9(木)

◆経験したこと
・老健見学、入浴の手伝い・見学(トイレも含めて) (上がり湯のシャワーをかけたり、一緒に浴槽に入ったりしました)
・食事の見学、後片付けの手伝い
・高島市の方と一緒にケアセンターの説明を聞かせていただきました

◆印象に残ったこと
・入浴の際にも様々な方に応じてそれぞれが細かなルールがあったこと。そういったルールがあるからこそチーム医療・介護ができるのだと思いました。
・自力で立った姿勢を保持できるというのは、それだけで介護が楽になるのだと実感しました。服の着脱やトイレ、体を洗うことなどの補助の内容は、何ができるかによって大きく変わってくるのだと知ることができました。同時にリハビリがいかに大切かもわかったように思います。

◆戸惑ったこと
・入浴に関しては戸惑うことばかりでした。何かにつかまれば歩ける方、立ち上がった姿勢を保つことができる方、誰かが抱き上げていて車いすに移らなければいけない方、尿道カテーテルをつけておられる方など、様々な方がおられました。またお風呂に入る直前に下痢をされ、シャワーのみとなった方もおられました。次にどうするのかがわからず、とりあえずできそうなことをするといったスタンスになってしまいました。
・予想以上にどの方も自分でできることはしようとされていました。服を脱ぐ、体をタオルでこするなど、ゆっくりでも行おうとされており、看護・介護の方はその手伝いをするというスタンスでした。こちらが全てやってしまっては駄目なのだと思います。相手に同情し何かを「してあげる」のではなく、相手を認め「手伝う」ことが大切なのだと思いました。

◆今日の気持ち
・3日間が本当にあっという間に過ぎました。外来、老健、出張診療所、往診など様々なことを見学させていただき、できそうなことはやらせていただきました。自分が医療に関して本当に何もできないことを痛感しました。しかし同時に、簡単なことでも何かはできるということも学んだように思います。何かしたいという思い、備えていればできることはあるのだと感じました。この3日間、精一杯に学ぶことができたと思います。この経験を様々な面で役立たせていきたいです。

◆将来に向けて目標
・積極的に学び、経験しようとする姿勢を忘れない(いけいけどんどん!で様々なことを経験した医師となりたいです。医療面のみでなく、人間として深い医師になりたい)
・理想をかかげつつ現実で最善を尽くす(いくら在宅がメインとはいえ、在宅ができず施設を回っている人を排除しては地域医療が成立しなくなる。一番大切なのは地域の人の幸せだという中村先生のお話を聞いて、理想に最短ルートで進むのは最善ではないのだと気がつきました)
・周囲の人と、もっと在宅・地域・医療について話す(親やおじいちゃんおばあちゃん、近所の人、友人ともっとこういった内容について話し合いたいです。近い将来絶対に考えなくてはならないので)

Yさん

2010.9.1(水)

◆経験したこと
・聴診器を用いて患者さんの心音、呼吸音を聞かせてもらった
・寝たきりの患者さんの褥瘡部分を洗浄し、ワセリンを塗布させていただいた
・点滴のために患者さんの腹部に点滴針を刺せていただいた
・尿道カテーテルの交換を見学させていただいた

◆印象に残ったこと
・先生が患者さんやその家族の方々と接するときの接し方がとても柔らかく、安心感を与えるような雰囲気が印象的だった。
・施設の紹介で入所者の洗濯物を原則家族にやってもらうことにしており、その理由として家族に定期的に施設に見舞いに来てもらうためだと聞いて、よく考えられているなと思った。
・施設内に伊吹山の風景の写真があって、医療施設に感じさせないところが印象的だった。 

◆戸惑ったこと
・聴診器を用いて患者さんの心音や呼吸音を初めて聞かせてもらったが、身体のどの部位に聴診器を当てればいいのかわからずに戸惑った。
・点滴針を患者さんの腹部に刺すという行為が初めてだったのでとても緊張した。結果的に先生にやり方を教えていただいて何とか刺すことができたが戸惑った。

◆疑問に残ったこと
・患者さんやその家族と信頼関係を気づいていくにはどうすればいいのか。

◆今日の気持ち
・実際に往診に同行させてもらって、自分も早く医学の専門知識を学びたいと強く思った。

◆次回の目標
・疑問に思ったことなどはできるだけその場で聞くなどしていきたい
・メモをその場で取ることで思ったこと、感じたこと、体験したことなどを漏れなく書き留めていきたい。

2010.9.2(木)

◆経験したこと
・午前中の外来で16人の診察を見学
・エコー、胃カメラ、レントゲンの操作などを見学
・訪問リハビリを2件見学
・聴診器を当てさせてもらった
・点滴(皮下点滴)をするにあたって患者さんの腹部に点滴針を刺した
・リハビリでベッドから立ち上がる動作の手伝いをした

◆印象に残ったこと
・外来を見学して、胃カメラ、エコーなどをはじめとした医療機器や電子カルテなどのパソコン操作などに詳しくないと診察ができず、やり方に慣れる必要があると思った。また診療所などでは自分の予想とは違って胃カメラの操作に精通していることが必要で、幅広い知識がいる思った。

◆疑問に思ったこと
・自分よりも年配の患者さんや高齢者の患者さん、またその家族の方と円滑なコミュニケーションをとるにはどうしたらいいか。

◆今日の気持ち
・患者さんの腹部に点滴の針を刺すとき、2回目ということもあって落ち着いて行うことができたのに自分でも驚いた。このように経験を積んでいくことでなれていくのだと思った。

◆次回の目標
・先生やスタッフの動作、声かけなどにもっと注目して学びたい

2010.9.3(金)

◆経験したこと
・胃カメラを見学した。
・破傷風の予防注射を見学した。
・聴診器を用いて心音、呼吸音を聞いた。
・血圧測定を行った。
・SPO2の測定を行った。
・モルヒネのシールの張り替えを行った。
・腹部の触診を行った。
・老健施設を見学した。

◆印象に残ったこと
・血圧測定を初めてやらせてもらった際に、初めの2回ほどは上手く聞き取ることが出来なかった。しかし3回目では自分なりに最高血圧と最低血圧を求めることができた。こういった経験をすることで医師の仕事を身近に感じることができ、早く医学の専門的な技術を身につけていきたいと強く思った。

・老健施設で入居者に化粧をして写真を撮るという催しで、化粧をすると入居者の方々の笑顔が増え、いきいきとした表情をされていたのが印象的だった。

◆戸惑ったこと
・今回の往診で初めて血圧測定をさせてもらったが、初めの1、2回では全く確認することが出来ず大変戸惑ってしまった。

◆疑問に思ったこと
・医師である以上、患者さんが亡くなる場面に立ち会うことは避けられないが、そういった場面を何度も経験するとつらくなることはないか。それをどのように乗り越える(受け止める)のか。

◆ 今日の気持ち
・3日間の学習を終えて、非常に密度の濃い経験ができたと思う。おそらく、総合病院などでは医学的な専門知識を何も知らない1回生が聴診器を当てさせてもらったり、触診をしたり、注射針を刺したりといったことは出来ないのではないかと思う。こういったことをさせてもらえたのは、先生方と患者さんとの信頼関係が構築されているからであり、また伊吹地域のやさしい人柄のおかげではないかと思う。みなさんに感謝したい。

◆次回の目標
・3日間で体験できたことを単に「いい経験だった。」ということだけで終わらせるのではなく、今回の経験を今後に活かしていきたい。例えば、コミュニケーション能力(特に自分と年の離れた人達との)を高めたり、現在の医療制度についてより深く学んだり、といったように自分に足らないもの、知らないことを自発的に学んでいきたい。


Wさん

2010.9.1(水)

◆経験したこと
・地域医療について
・診療所での診察の見学
・待合室での患者さんとの交流

◆印象に残ったこと
・患者さんが先生と話されるとき、とても活き活きしたおられたり、車での移動の時に、先生が通られる方々に声をかけられたりと、医師や看護師と患者さんの距離の近さを感じられた。

◆戸惑ったこと
・患者さんにどのように接して、何を話せばいいかわからず戸惑ったが、患者さんから気さくに話しかけてもらい、助けられた。

◆今日の気持ち
・診察を見学して、早く自分も医学について専門的なことを学んでみたいと思った。しかし先生を見ていて、医療において一番大切なのはやはりコミュニケーションだなということを改めて実感した。

◆次回の目標
・地域医療について学べる貴重な機会であるので、少しでも多くのことを肌で感じて学んでいきたいと思う。

2010.9.2(木)

◆経験したこと
・外来、エコー、胃カメラ、レントゲン見学
・待合室での患者さんとの交流
・往診同行

◆印象に残ったこと
・外来見学で患者さんが診察を終え、出て行かれるとき、先生に「先生に話をきいてもらうとスッーとするわぁ」とおっしゃられたのがすごく印象的だった。病気を治すという目的だけでなく、こういったところで医師の存在の必要性というものを勉強することができた。

◆戸惑ったこと
・患者さんだけでなくその家族の方との距離の取り方や信頼関係を築いていくことも大切で難しいんだなと思った。

◆疑問に思ったこと
・実際、死が迫ったとき、病院で少しでも長く生きるのか、家族のもとでQOLを維持し死んでいくのでは自分自身どちらの方が幸せなのかなと考えさせられた。

◆今日の気持ち
・往診に同行し、家に上げてもらうことで、介護するのに、家族や地域の方々が協力して支えられているのが見ていてわかった。昨日おっしゃられていた「老・病・死」について、どのようなものか少しわかったような気がした。

◆次回の目標
・たった3日間では本当に一部分しか見ることができないが、その中でも今後医学を学んでいく上でプラスになることを見つけていきたい。

2010.9.3(金)

◆経験したこと
・往診同行
・リハビリ室の見学
・往診同行(血圧測定、触診、酸素濃度測定、皮下点滴など)

◆印象に残ったこと
・リハビリ室でリハビリを終えて出ていかれる方の元気な姿が印象に残った。リハビリによって、ということももちろんあるのだろうが、部屋の雰囲気自体で元気をもらえる、そういったすばらしいところだと思った。

◆戸惑ったこと
・午後からの往診では、実際にいろいろと診察において経験させていただいたが、初めてのことばかりで戸惑った。触診などでは患者さん自身に「もっと強く押して」などと教えていただき、学ぶことも多かった。

◆今日の気持ち
・何もわからなくても、聴診器を使わせてもらうだけで、これから医師になるんだなぁという実感がわいた。早くいろいろな知識を身につけていきたいなと思った。

◆謝辞
・3日間本当にいろいろとお世話になりました。短い期間でしたが、学ぶことはとても多かったです。実際、現場でしかわからないような貴重な経験をたくさんやらせていただきました。この経験はこれから医の道に進む上でも大きくプラスになると思います。本当にありがとうございました。

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