地域包括ケアセンターいぶき センター長 畑野秀樹
2012.1.1
1.具体的な2012年の目標
1)スタッフは80人→85人体制へ・・・多職種協働
2)リハビリの充実・・・理学療法士(PT) 5名、作業療法士(OT) 3名と増員し、外来・訪問・デイケア・老健におけるリハビリの充実を。また介護予防への取り組みを
3)地域医療を担う医師の確保・・・住民の暮らし(人生)に寄り添う医師の育成。ただし長く仕事をしてもらうことは難しいのが現状なので、キャリアアップとしての「診療所」として活用すること
4)訪問看護の充実・・・医療依存度の高い患者さん、特にがんの患者さんの在宅療養を支える(在宅ホスピス機能)。医師と看護師、ケアマネ、ホームヘルパーなどが協力して患者さん支えること。
5)多機能な老健・・・在宅療養を支えるための老健に。レスパイト(家族の休息)、生活支援(食事や身体の清潔)、リハビリ(元気にする)、認知症ケア、看取りなど多機能な老健が求められている。ショートステイの活用
6)広域での診療所支援・・・滋賀県・岐阜県広域で診療所の医師不足に対応する(医師確保ができるかわからないが可能な範囲で)
7)地域連携態勢・・・地域の特老、老健、グループホーム、訪問看護ステーション、ケアマネ、デイサービス、デイケアなど、いぶき以外の施設との連携体制を強化する。地域完結型をめざす。ITネットワークが進みつつあるが有効なのかどうかのテストも。
8)研修体制・・・地域医療を理解する医学生、医師の育成、看護学生の育成(老健の他、訪問看護も)、リハビリ学生の育成。現在いるスタッフにもできる限り自己研鑽できるよう研修や発表の機会を
9)報酬体制・・・頑張っているスタッフを評価するように(昇進や給与のアップとして)
2.地域包括ケアセンターいぶきの理念
1)地域包括ケアの実践・・・保健・医療・福祉という領域を包括し、「地域住民が安心した暮らし」ができることを目指します。地域に密着した医療や福祉を提供します。いぶきだけで完結するのではなく、病院や他施設などと連携し、地域全体を意識して住民の安心を支えていきます。
2)全国への情報発信・・・学会での発表、地域医療振興協会や自治医大を介した研修活動、インターネットなどを通して、継続した情報発信を行います。「住民よし、スタッフよし、世間よし」の三方よしのうち、世間でも評価されるよう努力します。
3)経営基盤の安定・・・誇りと自信を持って取り組める職場環境を作ります。2000年より日本が「医療・介護に市場原理」を取り入れた以上、経営の安定化は必須の課題です。10年後にも健全な運営が継続できるよう意識して切磋琢磨・改革していきます。
4)次世代の育成・・・次の世代に安心してバトンタッチできる医師、看護師、介護士、理学療法士等を育てていきます。地域の幼稚園・小学生・中学生・高校生を巻き込んだ取り組みを行います。命を大切にする子どもたちを育成します。
5)文化の交流点・・・地域包括ケアの枠を越えて、子どもや高齢者など地域住民の文化の交流点としての役割を担います。
3.到達目標:30年後に、なおも「思いやりのある地域」であること
@米原市民の意識を変えることを目標とする・・・「元気なまち」に
大きな街もない、なかなか発展しない、病院もない・・・ないないづくしの米原市ではありますが、自然がある、山もある、湖もある、平野もある、新幹線の駅もある、思いやりのある温かな人々がいる。米原市は関東と関西を分ける日本の中心に位置しています。
できないことを探すよりも、できることを探して元気になれるようなまちづくり・人づくりの支援をしていきたいと思います。
A命を大切にする生き方を支援する
人は亡くなるはずはないという思いこみがありますが、人は100%死亡する。その事実は受けとめて、自分たちがいかに生きていくといいのか?。人は人のため・家族のため・社会のために生きているときに最も元気が出るのではないでしょうか?
少子高齢化の社会においても、高齢者は亡くなる直前まで社会に奉仕していただく。それは自分の生き様を、是非家族や若い世代に見せていただくことだと思います。家で老い、家で亡くなっていくことを実践していただきたい。
若い世代は、高齢者を「いのちの教育者」として尊敬できる社会を作っていきましょう。私たちを育ててきていただいた人たちなのですから。
若者のUターン、Iターンが見られるようになってきました。高齢者の方で伊吹に引っ越してくる人もあります。高齢独居でも過ごしている人があります。地域包括ケアの実践により、私たちは命を大切にし、「安心」を提供するために努力したいと思います。
今後、特に力を入れていく課題として、障がい児、障がい者支援があります。障がいがあっても社会が支えてくれるような、そして若者世代が障がいに理解があるような地域になればと思います。
B次世代を意識する ・・・「いのちをつなぐ」
少子高齢化の社会において、高齢者をお荷物にしない社会作り、システム作りが必要です。人生50年の時代から80〜90年の時代になり、それだけ学んできた経験を若い世代に伝えましょう。IT革命などにより通用しなくなった知識もありますが、「思いやり」や「勤勉」は、時代を超えて通用します。
若い世代は夫婦共働きしているケースも多く、働く世代に負担をかけすぎないシステムづくりとして、一つは社会で高齢者を支えるシステム、もう一つは社会で子育てを支援するシステム。家族の単位が小さくなった今、もう少し大きなコミュニティを見直していく必要があろうかと思います(ソーシャルキャピタル)。世代を超えたコミュニティの形成により、命をムダにしない、命をつなぐ文化ができると考えていますし、実践していきます。
3.ケアセンターいぶきの歴史
2006.2 ケアセンターいぶき工事中 |
2006.3 辞令交付 ■ |
2006.4 ケアセンターいぶき 開設式 |
2006.9 敬老祭 |
2006.10 山ワークショップ 伊吹 |
2006.12 クリスマス会 |
2007.6 音楽演奏会 |
2007.7 伊吹山へ |
2007.9 敬老祭 |
2007.10 鎌田先生の訪問 |
2007.10 いも掘り |
2007.11 プライマリケア学会 シンポジスト |
2008.4 新しいスタッフ(医師) |
2008.4 家に帰す取り組み |
2008.7 太鼓の演奏を聴く |
2008.7 杉澤炎陣太鼓の演奏 |
2008.9 敬老祭 |
2008 再会 |
2008.11 福祉のまちづくりシンポジウム |
2009.2 地域サロン等全国フォーラム |
2009.1 相撲大会 |
2009.7 夏祭り |
2009.9 敬老祭 |
2010.7 夏祭り |
2010.9 敬老祭 |
2010.12 学術集会 |