2012年を振り返って・・・

2012年の年頭に考えた目標を振り返ってみたいと思います。結構達成できたのではないかというのが実感でした。協力いただいた住民の皆さんに感謝、スタッフのみんなに感謝の気持ちです。



1.2012年の年頭の目標と年末の考察

1)スタッフは80人→85人体制へ・・・多職種協働

スタッフは87人になりました。
外来看護師、訪問看護師、リハスタッフ、事務、老健スタッフが臨時を含め増員となり、充実した組織となりました。事務職のI君を、東京の本部に派遣できたことはとても良かったと思います。
2)リハビリの充実・・・理学療法士(PT) 5名、作業療法士(OT) 3名と増員し、外来・訪問・デイケア・老健におけるリハビリの充実を。また介護予防への取り組みを

リハ職の増員により、外来、訪問、デイケア、老健のリハビリが充実しました。近江診療所においても常勤PTが頑張ってくれたおかげで、米原市西部地域の外来と訪問が増えました。全体としての訪問リハも多くなり、デイケアも定員25名と増やすことができました。老健においては、入所者の重度化により動けない人が増えたのですが、自宅に帰っても落ち着いて生活できるようリハビリをしてもらうことができました。
 また、歯科衛生士と言語聴覚士(ST)が活躍してくれ、「お口のチーム」として、「おいしく食べる」ことにスタッフも入所者も意識が向き、元気に過ごしてもらえる人が多かったと思います。現場の介護士、看護師の積極的なかかわりもありました。
3)地域医療を担う医師の確保・・・住民の暮らし(人生)に寄り添う医師の育成。ただし長く仕事をしてもらうことは難しいのが現状なので、キャリアアップとしての「診療所」として活用すること

近江に元気のいい島崎先生が来てくださいました。研修医はジュニアがほぼ毎月来てもらうことができました。地域包括ケア、チーム医療・ケアについて学んでもらえたと思います。島崎先生に、学習方法を研修医にわかりやすく伝えてもらうことができました。医師以外にも、看護師やケアマネ、介護士、リハなどから学ぶことが多かったようです。医学生、看護学生、リハ学生も勉強に来てくれました。
4)訪問看護の充実・・・医療依存度の高い患者さん、特にがんの患者さんの在宅療養を支える(在宅ホスピス機能)。医師と看護師、ケアマネ、ホームヘルパーなどが協力して患者さん支えること。

在宅緩和ケアについて、県内で報告させていただく機会が何度かありました。実際に、患者さんが自宅に帰り、家庭や社会における役割を持って生活していく支援ができたのではないかと思います。訪問看護はスタッフを増員することができ、きめ細やかな看護をしてもらうことができました。訪問看護師と外来看護師が協力し、亡くなった後にご家族と体をきれいに拭いてその人らしい服を着てもらうことなど、家族の心のケアにあたってもらうことができました。最期は病院に入院した人についても、ぎりぎりまで自宅で過ごしてもらえたと思います。(在宅看取り 31名) ケアマネ、ホームヘルパー、デイサービス、往診などとも連携ができました。
5)多機能な老健・・・在宅療養を支えるための老健に。レスパイト(家族の休息)、生活支援(食事や身体の清潔)、リハビリ(元気にする)、認知症ケア、看取りなど多機能な老健が求められている。ショートステイの活用

在宅を支える老健となりました。増床した特老などがあったため、ロングの入所者が春秋の季節に少なくなりましたが、ショートステイが増加し、月に350〜370件の入退所となりました。要介護4、5の重度の人が7割を占めるようになったため、歩ける人の割合は少なくなり車いすの割合が増えました。食事介助が増えたことも特徴です。それぞれの人に合わせた食事形態としたことなどにより、誤嚥の頻度はかなり減りました。老健で看取った人も数人ありました。
6)広域での診療所支援・・・滋賀県・岐阜県広域で診療所の医師不足に対応する(医師確保ができるかわからないが可能な範囲で)

4人という医師数ながら、ケアセンターいぶき、近江診療所、米原診療所、吉槻出張所、板並出張所、大久保出張所をカバーしました。岐阜シティタワー診療所や東近江市へ診療支援をしました。一方で福井丹南病院より白崎先生に米原診療所を応援いただきました。中村先生には岐阜との連携を深めてもらったり、全国的に動き回ってもらいました。ただし、いぶきの医師数が減ってしまい、体力的に消耗しました。
7)地域連携態勢・・・地域の特老、老健、グループホーム、訪問看護ステーション、ケアマネ、デイサービス、デイケアなど、いぶき以外の施設との連携体制を強化する。地域完結型をめざす。ITネットワークが進みつつあるが有効なのかどうかのテストも。

それぞれの個々のケースで対応できたと思います。具体的な勉強会や会議には至りませんでした。ITの利用についても実際には使えませんでした。米原市地域包括支援センター(福祉支援局)との連携も個人的には不十分だったと反省しています。米原市内のケアマネの数が足りなくなっているのも課題です。
8)研修体制・・・地域医療を理解する医学生、医師の育成、看護学生の育成(老健の他、訪問看護も)、リハビリ学生の育成。現在いるスタッフにもできる限り自己研鑽できるよう研修や発表の機会を

研修会や学会への参加は勧めています。ただし数人での参加や、遠方での研修会は制限せざるを得なかったところもありました。学会発表など主体的に参加するケースを歓迎しています。施設内では研修委員会を中心に研修会を開いてもらいました。研修医さんにプレゼンテーションしてもらいました今後も多職種連携勉強会など、若いスタッフが積極的に参加し学べる場の設定は必要と考えています。
9)報酬体制・・・頑張っているスタッフを評価するように(昇進や給与のアップとして)

人事考課を行い、個人の自己評価、上司の評価などを多角的に行います。給与面ではそれなりに改善してきていると思います。スタッフに収支状況を報告するなどして、運営状況をわかってもらうようにしました。

ケアセンターいぶき エントランス 園児の絵画展

いぶきこども園の園児の絵を飾らせてもらいました。エネルギッシュな絵にパワーをもらえます。今回は写真には載せられていませんが、老健と、柏原保育園との交流、長岡保育園との交流もできました。