地域医療をチームで担う人材育成事業 最終回

【講演13】 在宅療養を豊かなものにするためのチーム医療・ケアのこつ

〜みなさんが医療と介護の架け橋になるために〜

2014.3.9 滋賀県立成人病センターにて

地域包括ケアセンターいぶき  畑野秀樹





◆目的:滋賀県全域の地域医療の将来を見据え、各医療スタッフの専門領域について幅広い知識と高い技量を習得し、地域においてチーム医療を実践できる人材の育成を目的として実施する。

研修生の皆さんは、看護師や薬剤師など地域のリーダーになりえる人たちで、1年間日曜日を10回つぶし、研修されてきました。非常にモチベーションの高い方々でした。最終回となった私の下手な講演にも、熱心に聴いていただくことができ、ありがたく思いました。

また、何人もの人々と知り合いになる機会をいただき、貴重な体験となりました。山本副院長をはじめ、皆様、ありがとうございました。

◆質問として
@「肺がんなどの終末期、呼吸が苦しくなって病院に入院してしまう人がいる。訪問看護師としては最期まで自宅で看たいのだが、せっかく在宅療養を続けていたのにもったいない気がする。アドバイスはあるか?」

 在宅酸素療法やステロイド、そしてモルヒネを使用している。呼吸苦が強くなったら酸素濃度をあげたり、躊躇せずモルヒネを使用する。「苦痛のない療養」を目指すので、治療方針をシフトチェンジして「意識レベルを落とす時期」と判断している。

A「胃瘻について、必ずしも作らない時代になってきたがどう思うか?」

 胃瘻という方法が必要な人には必要と思う。胃瘻を入れた後の生活が説明できていないまま、医師が胃瘻を作っていた時代があった。胃瘻を作って病院を退院して、どこでの療養を想定しているか。老人病院か在宅しか行き場はない。家族が自宅でみるという腹をくくってもらわないと、胃瘻造設は難しいと思う。

B「大津は人口32万人で8つの地区に分けて在宅医療を勧めようとしている。米原市は4万人だが、小さな単位で地域包括ケアの拠点が必要なのか?」

 厚生労働省もいっているように人口1〜2万人に1ヶ所(中学校区に1ヶ所)の拠点があった方がいいと思う。米原市でも西の拠点を整備する予定になっている。必ずしも老健や中小病院が拠点となる必要もないと思うし、センター機能を持てるところがやればいいと思う。