遠征事務局より まとめのことば


大会の総評と今後の課題
 大会を振り返ると,優勝できた要因としては,男子においてはFWのプレスディフェンスとDFのマークの技術の高さが際立ったと思います。FWが粘り強く走り続け,プレスをかけ相手に有効な攻撃をさせなかったこと,また,相手が単調な攻撃になったところでインターセプトからカウンター攻撃に繋げたことが勝利の要因としてあげられます。
 女子においては,FWのテクニックが他のチームに比べ上回っていたと感じました。ターニングの技術,リバースヒットなど日本で培った技術をいかんなく発揮していました。また,DFも攻め込まれる時間が長く,苦しい時もあったが気迫の守りで,相手の攻撃を死守していました。男女ともにナショナリズムを強く感じ,日本代表としての誇りや自覚をプレーの面で感じることが多々ありました。
 課題としては男女ともにストロークの精度,強さにおいては劣っていると感じました。また,ハイスティックのルールが緩和され,スクープの処理の仕方も変化したために,浮き球の処理においては,これから練習する余地があるのではないかと感じました。
 
次に繋げるために
 今回、初めて日本代表として,U16オーストラリア遠征参加した選手の皆さん,本当にお疲れ様でした。FHEカップでは男女ともにアベック優勝という快挙を成し遂げることが出来ました。男子は8年ぶり2回目,女子は2年ぶり2回目の優勝でした。
 この結果をどう受けとめ,どんなことを感じていますか?
 君たちが悔しかったり,驚いたり,嬉しかったり,その感じたすべてが,きっとこれからの成長につながり,そして自分のホッケーのプラスになると,私は信じています。
 だから,試合だけでなく,この遠征で経験した様々なことを,ぜひ次につなげて下さい。これからの君たちの行動が,本当に大切なんですよ。
 君たちもこの遠征で学んだことを、仲間や後輩につなげていける人間になって下さい。
 君たちは今回の遠征で,みんなに支えられて今日の自分があること,周りの方々の努力や応援によって,このオーストラリア遠征が成立していること,そんななかで,周りに対する感謝の気持ちを持ってくれたことと思います。1人1人がその感謝の気持ちをどう表していくのか,これからの君たちの行動が大切なのです。だからこそ,4月から高校生になってもホッケーができる幸せにいつも感謝しながら,日々,技術も人間力も高めていって下さい。そうして,技術だけを磨くのではなく,真の人間性を身につけ,これからは周りに対して自分からいろんな事を発信できる人間になって下さい。きっと,技術よりもあなたの発言や行動,そして人間性をまわりの方々はいつも見ていますよ。
 誰に見られても恥ずかしくない発言や行動ができる,真の日本代表選手を必ず目指して下さい。君たちの人間としての成長を期待しています。
 選手の皆さんも,人のつながりをこれからも大切にできる人間になってくださいね。
ヨシさん,ヒロ子さんのつながりから,2010年からボブさんがこの遠征に加わってくださり,人のつながりを深めるためにバンバリーの遠征と交流会を企画してくれました。
 ヨシさんやボブさんはこのオーストラリア遠征のために大会のマネジメントや宿泊,食事など,その他,細部に至るまで,最高の環境で大会に臨めるように尽力していただきました。そして,日本ホッケー協会の馬場先生のつながりから,毎年,鈴崎さんがカメラマンとして同行し,松村トレーナーのつながりから,森さんが昨年から身体のケアを行ってくれるようになりました。また,畑野先生におかれましては,HPの作成・管理や遠征の帯同ドクターとして参加していただき感謝しております。この遠征も人のつながりによって,現在まで支えられています。
 君たちが代表に選ばれたのも家族やチームメイト,その中で強い絆が信頼となり,まわりから応援され,それが安心や力となって,自分を伸ばし続けることができたのでないでしょうか?チームの中で自分らしくプレーすることができたのではないでしょうか?
 決して自分一人で上達したり,成長したのではありませんよ。だからこそ,これからも人のつながりを大切にできる人間であってください。人を大切にできる人間は,必ず人から大切にされます。人とのつながりの中でこそ自分が自分らしく力を出し切れるのです。
 オーストラリアで学んだこと,感じたことすべてが君たちの財産です。これからもそれぞれの場所で,人のつながりをさらに広めて,そして深めて,自分らしく活躍し,成長してくれることを期待して遠征のまとめと致します。
 
                             遠征事務局 吉原 荘二  2014.12.11